唇が震え、目頭が熱くなる。

暗闇の中に沈む見慣れた部屋の景色が、涙でかすんでいった。

――『死にたがりこじらせ部を作ろう』

そう言ったときの、彼の表情を覚えている。

少し誇らしげで、だけどその目はどこか悲しげだった。

――『どちらかが死んだでしまったら、それで解散』

「ひっく、ひっく……」

肩を震わせ、悲しみの底でむせび泣く。

終わりも何も、そもそも君という人間は、もういないのだから。

死にたがりどころか、とっくに死んでいたんだから。

心が空っぽで、まるで抜け殻のようだ。

夜に会うだけの彼の存在が、こんなにも私の中で大きくなっていたなんて知らなかった。