「で、あんたはこんなとこで可愛い1年生となにしてんの?サボり?」

「サボ、ってねぇし。」

「ふーん、じゃあ戻りますよ。なんか菊が雑用に頼みたいことあるっぽかったから、早く戻んなきゃなの。今1年の雑用の子たちだけでやってるから、」

「ぇ。」

「え、なに」

「なん、でも、……ない。」



1年の雑用の子たちって……あの子、たち。


え、今、……教室にいんの?


菊の手伝い、教室でしてんの?



「あのぉ…」

「ん?なんだいお嬢さん」



なんでコイツ……愛原さんには愛想いいんだ。



「お2人は、付き合ってるんですか?」

「……。」

「……。」



オ……オェーって、えずきそうになった……。


だってこんな質問、初めてされたし。


あずさと一緒にいて、付き合ってるって思われたのは、……初めて。



「……やめて。」

「……」

「あずさとか……女じゃねぇし、」

「言葉選べや」



今まで1度だって、あずさを女として見たことはない。


これからも絶対ないって言い切れるほど、こいつは俺にとっては友達だから。



「あー、吐くとこだった。すぐると付き合ってるとか、考えただけで吐き気が、」

「言葉選べや。」



お互いに、好きになることはあり得ない。


この先の人生、なにがあってもあり得ない。


この世の中に絶対はないって、誰かが言ってた気がするけど……この話だけは、絶対すぎる。