「あの、大ちゃん先輩」

「うん、?」

「よかったら今度、」

「わわわ、きゃーー!見ちゃったーー!」

「……。」



助け舟……ではなさそうな声が、聞こえた。


この状況でそんな風に入りこんで来るあずさが、逆にすげぇ。



「ごめんねー、邪魔しちゃって」

「いえ、…」



謝るくらいなら普通ほっとくだろって思うけど、今はその邪魔が有難かったりもする。



「なに、……こんなとこで、なにしてんだ、あずさ。」

「体育館行ってたの」

「体育館?」

「応援団の練習見てほしいって頼まれたから」

「あんな男ばっかんとこ、よく行けたな……。」

「だって雑用係の仕事だし」



女なのに応援団を手伝うあずさは、やっぱり他の女子とは違う。


それは俺だけが感じてることじゃなくて、応援団の奴ら含む、みんなが感じてること。


だから他の女子は絶対に頼まれない仕事も、平気で頼まれたりする。