「あ、ほんと、」

「曲がってる!」

「ふはっ。」



やっぱ適当じゃん。



「すみません、曲がってました」

「うん、いーよ。あんがと。」




とりあえずその線を直したあと、時計を見たら結構時間が経っていた。


旗の絵も描きに行かなきゃだから、パネルはこの辺にして立ち上がる。



「俺旗描いてくるから、あとはがんばって。」

「ん、おー、悪いな。きっとまた呼ぶけどよろしく」

「うん。」





旗係に戻っても、全然、あの子はいないまま。


会えない1日が、また終わる。


1日を終えて、家に帰ってまた朝が来る。



あの日から……

あの子を見つけたあの日から、なんにも変わらない毎日。


変わったことを数えてみるけど、名前とクラスが分かって、同じチームになれたってことくらい。


何回数えたって、そんだけしかない。


そして明日もまた、きっとなんにも変わらない1日が始まるんだ。