あずさの声に、チラッとドアのとこを見たら、まだあの子がさっきのとこに立っていた。


そのままずっと、そこに立っててくんないかなって……変な願望が沸いてくる。


帰るって言ったはずのあずさが静かになったから、またチラっと見てみたら……


あの子とID交換してるのが見えた。


なにそれ……なんでそうなんの。


ついでに俺のIDも教えとけや!って、……自分勝手な思いが膨らむ。




「……ざつよー、係。」



雑用係。


なんかあったら、ほんとに頼んでいいのかな。


なんもなくても、なんか頼んでいいんかな。



もっかいだけチラッと見ようって、ドアんとこに視線を向けたら、



帰り際、あずさとスーに挨拶をしてるあの子と……




「……。」


「、…」




目が合った。