「今度、」

「…、」

「聞いて、話」

「、」

「なんも、アドバイスとか言わなくていいから」



笑った瞬くんは、やっぱり少し悲しそう。



「うん、聞く、」



なにも言えないかもしれないけど、聞くだけでいいなら……



「あ、俺もう行かなきゃ」

「生徒会?」

「そう、競技決めなきゃで」




生徒会室までの廊下を、一緒に歩いた。


その間、あずさの話なんてなんにもしないで、いつものふざけた会話だけが続くから。


瞬くんがいつか話せるタイミングを待とうって、そう思った。



「じゃあね」

「うん。」




瞬くんと分かれて、1階に下りる。


階段をダッシュして渇いた喉を潤すために、購買横の自販機でコーヒー牛乳を買った。


最近これしか飲んでないなって、1人で笑ってまた階段を上がっていく。


コーヒー牛乳を飲みながら、目指すは4階。


ストローを咥えたまま、自分の教室目がけて進む廊下の、……その先に。




「…、」




廊下の先に見えた光景に、……心臓が、すごい勢いで動いた。



だって、3年2組の教室の、後ろのドアんとこ。



あの子が……いる。



なん、で……、