チーム名を決めて、1時間の時間切れ。


後ろが気になってしょうがなかったけど、みんなが前を向いてる中、1人だけ振り向けるわけがない。


結局、それからは1度もあの子が視界に入らないまま……そのまま、1年は教室に戻っていった。



別に、なにかあるとか思ってたわけじゃないけど。


同じ教室にいたはずなのに、無性に遠く感じる距離にため息が出る。











「大ちゃん、お前今年も旗係だろ?」

「んー、……なんでもいい。」

「じゃあ旗な」

「菊ー、俺らも旗ー」

「おっけー」



放課後、それぞれの係を決めたところで、やっと解散。


いつもより1時間遅れの下校に、クラスのみんなはすぐに立ち上がって帰ってく。



「今年どんな旗にする?」

「んー……。」



去年も旗係だった。


係なんて別になんでもいーんだけど……今年は気になる。


あの子は、……高橋ななちゃんはなんの係なのか、気になる。