「大ちゃーん……」

「……。」



朝っぱらから人の教室で、しゃがみ込んで俺の机に両手と顔を乗せて、すげぇ辛そうな体勢なのに、瞬くんはさっきのラーメンの話ん時から、ずっとこのまま。


こんな風に人のクラスにわざわざ来るのは、今までなら俺に会いに来るのが目的だったのに。


それがいつからか、その目的があずさに変わってたんだから、ビックリだ。


だけどもう、この『血迷いカップル』は、俺ん中じゃ結構お似合いの2人に見える。



「そんな待ってたってまだ来ねぇって。あいついっつもギリギリ、」

「俺、別れようと思うんだ、あずと」

「……。」




は?




声のでかい瞬くんが、俺にしか聞こえないような声で、ボソッと言ったのは……なに。




「どう思う?」

「……。」




どう思う?って……相談する相手、間違ってると、思う。


俺、そういう話、全然ダメってことぐらい、幼馴染なんだから知ってるはずなのに。