「あずさ、瞬くんと、」
「私の話をしてんじゃねんだよ」
「……。」
「今はすぐるの話の時間」
人のことは聞きたがる癖に、自分の話はしない。
それは俺も同じ。
自分のことを話すのは、苦手だから。
「はーい、ホームルーム始めるよー」
タイミングが良いのか悪いのか、りんちゃんが入ってきた。
聞きたいことも聞けないまま、ホームルームが始まる。
渋々席に戻ったあずさは、やっぱなんか様子が変。
絶対、瞬くんとなんかあったんだ。
もしかして、別れたとか?
いや、そりゃないか。
あいつら結構な好き好き同士、っぽいし。
「体育祭のチームが、さっき決まりましたー」
ホームルームの時間とあってザワザワうるさい中、前の席の雄介が後ろに振り向いた。
「まじさ、2年女子と同じチームっていう奇跡起きねぇかなー」
チーム……?
あぁ、そういや体育祭の時期か。
全然、頭になかった。