「大ちゃーん……」

「だから、あずさなら玄関で待てや。」



今みたいに、大好きな俺のとこにちょいちょい遊びに来てた瞬くんは、2年の春の終わり頃、あずさに会うこととなる。


だけど最初は全然、恋愛に発展しそうな感じじゃなくて、どっちかっつーと、お互いいつも対立してた。



『私イケメンとか無理。だって絶対心配になるし。なんでそんな余計な心配がついてくるような男に、わざわざ自分から挑むの?それなら不細工でも安心できる男のほうが絶対幸せになれるし!』


『あー、俺、ガサツな女の子無理。女の子ってさ、なんかこう守ってあげたくなるような可愛らしさが大事じゃん?常に笑顔で、一緒にいて癒されるっつーか、だから俺、妹タイプに弱いんだよねー』



初対面ながらに背中を向けてる感じ。


お互いがお互いを、否定してる感じ。


それがいつの間にか話しは進んでて……去年の体育祭、2人はなぜか付き合いだした。


俺ん中の『血迷いカップル』は、なんの問題もなく、彼氏と彼女になっていた。



それからもう、半年以上。


そして……今に至る。