「うげ、激混み…」



少し遅れて来た学食は、丁度ピークに達する混み具合。


早く来て席を取ってくれてたヤマたちを確認したあと、そのまま菊は定食コーナーに、俺はラーメンコーナーに向かう。



今日の学食は、人が凄すぎて……歩きにくい。


この中にいるのかなって……あの子のことも探せねぇくらい、歩きにくい。




「さっちゃん、味噌ラーメンよろしく。」

「はいよ、味噌ねー」



さっちゃんに頼んだ味噌ラーメンは、後ろのほうでおっちゃんが作る。


ラーメンは人気だから、おっちゃんもおばちゃんたちもみんな忙しそう。



「クラス、わかったよ。」

「ん?」



さっちゃんも忙しそうだけど、一応、報告。



「恋は仕勝ち。」

「……」

「俺、仕勝ちする。」



俺の意気込みに、さっちゃんは口角を上げてにっと笑う。



「がんばれ、若者!」

「おう。」



ハイタッチを交わし、ラーメンを受け取った。



「年上のお姉さん、いつでも相談乗るからね!」

「お姉さん……。」