「……原田。」

「ん?」



原田とは、そんなに仲が良いわけじゃない。


悪いとか、嫌いとか、そういうんじゃないけど。


あずさみてぇに、ほぼ毎日喋るような女子とは、違う。



「なに?」

「……。」



いきなり話しかけていきなり妹のこと聞くのって……どうなん。


すんげぇ、怪しくね?



「大ちゃん?」

「……。」



でも……接点は、自分から作んなきゃ、1個もない、から。



「あの、」

「今のって原田の妹なの?」



なにか聞こう……そう思って口を開きかけたとき、俺の横に立った菊が喋りだす。



「うん、妹」

「1年?」

「そう、1年」

「まじ?何組?」

「何組だっけなー……えっとね、もりりんのクラス」



もりりんのクラス……


じゃああの子も、もりりんのクラス……?


だから昨日、もりりんに掴まってたのか。



「俺の弟ももりりんのクラスだわ」

「は!?」



思わず飛び出た声。


だって菊、今、なんつった?



「菊……弟なんていたっけ?」

「入学してきたって、前言ったじゃん」

「……。」



覚えて……ねぇ。


てことは……菊の弟とあの子も、同じクラス?


これは……接点、とは、言わない?