「うあーー!寝すぎて喉カラカラ!」

「……。」



チャイムが鳴ると、雄介はいつもすぐ起きる。



「飲みもの買ってくるけど、雄介もいる?」

「俺持ってるからいいわ」

「大ちゃんは?」

「いる。」

「適当でいい?」

「うん。」



財布を持って菊が教室を出ていったあと、前の背中をちょいちょい(つつ)く。



「あのさ、雄介。」

「んー?」



持参してきた炭酸を、雄介はゴクゴクと一気飲み。


炭酸、痛くねーんかな。



「連絡先、どうやって聞いたの。」

「ん?」



今までの俺なら絶対にしないような質問だからか、雄介がしっかりと振り向いた。



「2年の女子?」

「ん。」

「どうやってって……連絡先教えてーって」

「彼氏いんのに?」

「彼氏いても、教えてくれっかもしんねぇじゃん」

「……。」

「普通に教えてくれたし」