雨ん中、自転車を漕ぐ足が浮かれてる。


窓越しに見えたあの子と目が合った気がするけど、遠いから多分勘違い。



でも……高橋さん。


名字が分かって、頭ん中で何度も繰り返してはニヤける。


明日も会えるかなーなんて……3年になった途端、一気に恋愛体質になったみたい。


まるでどっかのネジが1本外れたみたいに、2年のときとは別人だ。




家に帰って風呂でニヤけて布団の中でもずっとニヤけて。



早く明日になんないかなって、こんなことを思うのだって初めてだから。



自分で自分にびっくりしながら迎えた次の日の朝は、昨日の雨が嘘みたいに快晴だった。