玄関とは逆方向に、さっき来た道を引き返す。


横では雄介が、まだジャンプについて能天気に語ってる。


ドキドキしながら進む足は、さっきの廊下への角を、曲がった。




「、、……」




いた。



……けど。



なんで……。




突き進む、さっきの廊下。


通り抜ける、その先に……あの子と、



「おー、大ちゃん、お前も青春しとるかー?」

「……。」



なんでいんの、もりりん……。


邪魔……。



もりりんいんのに、女子に声かけんのとか普通に無理だし……。



「もりりーん、大ちゃんに青春とか似合わねぇっしょ」

「んぁー?青春に似合うも似合わねぇもねーんだよ、なぁ?」



もりりんが、あの子に話しを振ったから……


どさくさに紛れて、通りすがりに顔を見たら。




「……。」


「、…」




目が、……合った……




始めて合った目に、速攻で顔を前に戻す。



「つーか高橋よー、青春は1人でするもんじゃねぇだろー」





「…、」





高橋……





高橋、さん……





1年生の、






高橋さん……