瞬くんとあずさが付き合いだして、半年以上が経っている。


元々２人を引き合わせたのは俺だけど、まさか付き合うことになるなんて、あの頃は夢にも思ってなかった。



２年のクラス替えんとき、瞬くんとはクラスどころか校舎も離れた。


それなのにどうしても俺のことが大好きな瞬くんは、校舎の壁なんて感じさせない勢いで、毎日毎日、暇さえあれば俺の周りをうろちょろしてた。


いや、暇がなくても無理矢理暇を作って、俺のクラスに遊びに来てた。


向こうの校舎に友達がいないわけじゃない。


むしろ自分の友達を把握し切れてないくらい、いっぱいいるんだと思う。


だからかな。


瞬くんと一緒に校舎を歩くのは、かなり大変。


廊下を歩けばみんなに声を掛けられて、全然目的地に着かねぇし、瞬くんがちょっと笑うだけで、周りの女子が悲鳴をあげる。


それでも瞬くんは俺のことが大好きだから、みんなが追いかける瞬くんは、いつも俺を追いかけてきてた。



去年の春の……終わりまでは。