「あの、……私、愛原咲子っていいます、」

「……。」

「あの、……よかったら、ID交換とか、……番号でもいいので教えてください、!」



「「「…………」」」




誰も……なんも、喋んない。


多分、俺が喋る番、……なんかな?




「……。」

「えーと……大ちゃん、なんか言えよ!」



なんかって……なに。



「ごめんねー。こいつ俺と違って、こういうの慣れてねーから」

「雄介よりは慣れてるだろ」

「うっせぇぞヤマ!」



俺が喋んなくても、みんなが喋ってくれるから。


そのまんま、目だけで、あの子を探す。