「でもさー、すぐるくん。黙って見てるだけじゃ、なーんにも始まらないのよ?」

「う、るせえ!い、いから!あっち行け!どっか行け!」

「はいはい、やーねぇ、照れ屋さんなんだから」




チャイムが鳴って、菊もあずさも笑いながら席に戻った。



サイアクだ……。


なんか色々と、サイアクだ……。





「教科書35ページ開けー」



授業が始まって、前の席の雄介が早速寝てる。


この3週間、俺には睡魔なんてない。



ぼーーーっと。


授業中はひたすらぼーーっと、そのときを待つ。


昼休みを知らせるそのチャイムを、ひたすら待つ。


教科書に、渾身の落書きをしながら、ただひたすらに……