それから約3週間。


ぼーっと……毎日、上の空。


天気が良くても悪くても、体育の時間も数学の時間も、いつもぼーーっと、上の空。




「なぁ佐伯。最近大ちゃん変じゃない?」

「あら菊地くん。すぐるが変なのなんていつものことでしょ」

「そうだけど、いつも以上にぼーっとしてるじゃん。つーかあいつ、最近毎日コーヒー牛乳飲んでんだけど」

「今更身長高くしたいんじゃない?」

「それって牛乳のがいいんじゃん?」

「じゃー恋でもしてんじゃね?」

「は?なんで?」

「ぼーっとして変なんでしょ」

「いつものことって言ってたじゃん」

「でもいつもと違うって、菊は思ったんでしょ?」

「まぁ……なんとなく、だけど」

「だったらいつもと違うんじゃない?聞いてみればいいじゃない、本人に」




ぼーーーっと見てるのは……黒板の上の、時計。


昼休みまで、あと1時間。



別に……だからなんだっていう話なんだけど。


ただ、今日はいるかな、って。


昨日はいなかったから、毎日学食、ってわけでもなさそうだけど。


でも一昨日はいたから、今日はいるかもしんねぇな、って……