「お前、大丈夫かまじで」

「カレー、取ってくる……。」




女子たちの横を通っても、全然、その子と目すら合わないのは、当たり前。


いや、目が合ったからって、別にどーってことでもないんだけど……



カレーを持って戻ったら、女子たちはまた、全然違う話しで盛り上がっていた。




「え、谷ぽんバイトするの?」

「お金ないしね」

「バイトかぁ」

「お金の代わりにさ、笑顔で払うシステム作ればよくない?」

「笑顔?」

「買い物したとき、笑顔を見せればタダでOKってシステム!世界中に笑顔が溢れるよ!」

「わ、平和!」

「まじそれいいね!」

「スマイルゼロ円だしね~」




現実離れした会話を、隣の女子たちは夢中で話してる。


聞き耳を立ててるわけじゃないけど、俺はもう、そっちの会話にずっと夢中。




「女子って……楽しーんかな」

「は?」



生まれ変わったら絶対男になりたいって、あずさがいつも言ってるから。


女ってそんな大変なんだなーって、思ってたけど。


隣の女子たちは、なんか、すんごい楽しそう。