「直人ヘッドローーーーック!!」

「!!」

「!?」



後ろから走り込んできた直人が、俺と瞬くんに飛びつく勢いで両手で首を固めてくる。



「は、なせ!」

「、、…」



痛ぇし……。


直人、手加減しねぇし……。



「お、まえ、は!走るな!わめくな!少しは大人しくしろ!」

「瞬くーん、口うるさいと女子に嫌われちゃうよー!」

「いいよ別に。とにかくお前は走るな!骨折って体育祭出れなくなっても知らねぇぞ!」

「今日は唐揚げ定食食うんだーー!ひゃっふーーう!」



なにが楽しいのか、俺らを追い越し、渡り廊下を走り抜けてく直人。



「あいつ、」

「……。」



直人は、いつも元気。


学年は俺らの1個下だけど、校内で見かけたら、今みたいに必ず絡みついてくる。


あーやって走り回るから骨折すんのに、それでも走り回る直人を、瞬くんはたまに本気で心配してる。


いつかほんとに大けがすんじゃねぇかって。


いや、骨折の時点で大けがだけど。


もっとこう、……後遺症とか残っちゃうようなやつ。


そんくらい、直人はいつも元気でケガばっか。