「も、ストロー奥まで刺すとか、ななどんだけヌケてんの」

「だって、いつまでも進んでく~って思ったら、最後まで入ってったんだもん」

「途中で気づけよ」

「進んでく~って、アホか!」

「飲めない、……ひどい……私のコーヒー牛乳……」

「はいはい、飲めるようにしてあげるから、ヨッコ戻って来たし、取り合えず学食行くよ」

「うぅ……コーヒー牛乳~……」





「…、、、」





ちょっとバカっぽい1年生に、俺は1人で笑いを堪える。


その子たちの集団が学食に向かって歩き出したから、それを見送って、今度は俺が自販機の前に立つ。


バカな1年生に笑いながら、100円玉を投入。


どれにするんだい?って、自販機が点灯して聞いてくる。


そりゃーもちろん、いつも飲んでるコーラに決まってるし。




「……。」




コーラを押そうとした手が、止まる。


一体どれにするんだい?って……自販機が、俺にじっと問いかけてくる。




ボタンを押して、


ガコン!って、出て来た飲み物は……




「あ、大ちゃん」

「おう瞬くん。」



機嫌が悪くなったって、次に会えば、いつも通り。


それが俺らの、いいところ。