2人と別れたあと、俊のとなりにならんで、駅までの道を一緒に歩く。



「太田さん」


「えっ?」



ふとなぜか、俊の口から亜莉朱ちゃんの名前が出る。



ただ名前が出るだけなのに、少し心がモヤっとしてしまった。



……でもダメダメ。



優しくしてくれる亜莉朱ちゃんを悪いように思っちゃ。



別に心配することは何にもないもんね。



「悪い人に見えないし、いいんじゃない?」



ふいに俊の横顔が優しくほほ笑む。



「……へっ、?」



もしかして……私のこと、
心配してくれてるの?