「平田?大丈夫?なんか顔色悪いけど」

心ここにあらずだった私は隣の席の結人くんに心配された。

目の前にいる澪も私の顔を覗き込む。

「ほんと、どうしちゃったの奈央?体調でも悪い?さっきから変だよ」

そう言って澪は私のおでこと自分のおでこに手を当てた。

「んー熱はないみたいだけど。……あっ!もしかして奈央〜さっきの転校生くんに一目惚れしちゃったとか〜?」

澪が周囲に聞こえるような声でニヤニヤして聞いてくる。

「はっ?一目惚れってなんだよ」

答える間もなく結人くんが入ってきた。

「大野には関係ないでしょー。女子トークなんだから入ってこないでよね!」

「は?俺にも聞かせろよ」

「しつこいなー大野は!あっち行っててよ。シッシッ」

そう言って澪は結人くんを手で追い払う仕草をした。

またいつものように勝手に話が進んでいる。