「はい、ありがとな」


教科書を渡しながらお礼をいってきた煌ちゃん。


「うん、どういたしまして」


受け取って鞄のなかに入れる。



「じゃ、また明日ばいばい!」


「おう!気をつけろよ」


うん!と言って、てを振ろうとしたとき



「陽愛!」

いつもより大きい声量の少し怒りを含んだ声がした。



「廉くん!」

私は、一目散に駆け寄ろうとした。


でも、躊躇した。