いつも優しいはずの廉くんの表情が今まで見たことがないくらいに歪んでいたからだ。



眉間に皺寄せ、


悲しそうな寂しそうな怒った顔。



なんで?

なにかした?


怖い、


廉くんに嫌われてしまうのが怖いと思った。



私の進みかけた足は完全に止まってしまっていた。



すると、廉くんがこちらに向かってきて私の腕を掴み速足で歩き出した。


「れ、廉くん!」