でも、私は迷っていた。

結婚相手としては、ほぼ五ツ星。


見た目★★★

収入 ★★★★★

将来性★★★★★


というのも、彼の実家は資産家で、征司は父親の会社で修行中なのだ。

まあ、お兄さんがいるから社長は無理でも、専務か常務にはなれるだろう。

これぞ、玉の輿!


しかし、不安材料がないわけではなかった。

征司はイベント事やサプライズが大好きで、私の知らない世界を魅せてくれる。

好奇心旺盛な私には、刺激的な時間を一緒に過ごせる楽しい人なのだ。

けれど……。


気になることがあっても、「なんとか目を瞑るか」なんて思った。

だから、『大事な話』を待っていた。