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「でね、そこのパンは美味しかったわけよ」
「おい! パンはどーでもいいよ。それより、カレシはどーすんだよ!」
「はあ? 征司?」
「そーだよ! それで俺に電話してきたんだろ?」
「あ、そーだった。ハハハ」
「ハハハ、じゃねーよ」
「ごめんごめん」
私は大悟さんに駅まで送ってもらい、電車に乗って帰ってきた。
そして、幼馴染みの幸太に電話を掛けると、幸太は慌てて駅まで迎えに来てくれた。
私たちは、近くのレストランに入って遅いランチを食べた。
「だから言ったんだよ。遊び人のカレシとさっさと別れろって」
「だって、もう二度としないって、約束したから……」
「バカか? そんな男が急に女遊びを止められるわけねーだろ!」
「だって……」
「美穂ってしっかりしてるようで、時々抜けてんだよな」
「ちょっと! なにそれ!」
「だいたい、知らねぇ男に付いてって朝飯一緒に食ってくるって、いつものお前ならぜってぇしねぇのにさ」
「うん……、反省してます」
「やけ酒飲む前に、俺からの電話待ってれば良かったのに」
「だってクリスマスだよ。由実ちゃんと一緒だったんでしょ?」
「だったらメールしてくんなよ」
「はい、すみません……」