そう思いながら、私は音怜くんと教室に入った。
すると、すぐにバッと駆け寄るクラスのみんな。
「川高さんと音怜くんどうしたの!? 二人が一緒に登校してくるなんてっ!」
「そうだぞ~!! 喋ったこともないのに、怪しいぞ~、お前ら!」
「音怜く~ん、ショックで私泣きそうだよ~!」
音怜くんは、はぁー……、と長いため息をついてから、なんと私の肩を抱き寄せた。
「俺から、川高に告白したの。こいつ、けっこう顔はいい方だし、性格も真面目
だから、俺が勝手に惚れたのー」
私は、自分の顔が赤くなるのが分かった。
彼女のフリをしていて、音怜くんがウソついてると知っていても、私の心はくすぐったくて仕方がない。
そんな気持ちに浸っていると、茶髪の、ひとりの目つきの悪い女の子が私を、
音怜くんから引きはがした。
そして、手首をがっちりと掴まれて、教室の隅っこに追いやられる。
当の本人の音怜くんは人だかりで気が付いてないみたい。
すると、二人、他の女子が現れて、計三人に囲まれる私。