それなのに、冷静に私を慰めながら、静かに言い聞かせてくれる。


「つぼみ、もう分かったよね? アンタがなにをどうするべきか」
「………うん」

私は首を何度も縦に振る。
もう、涙はおさまっていて、すっかり理々乃ちゃんのおかげで平常心を取り戻
した。
私の答えはもう、決まっている。

養護教諭の先生に改めて前を向いて私は、ゆっくりと口を開いた。
「泣いてすみませんでした……」
ペコリと頭を下げる私。

「気にしないでいいわよ、突然のことだもの。理解できないことはたくさんある
と思うわ」

私は、スッと息を吸い込んでそれからもう一度先生の目を見た。
「私、音怜くんと関わらないようにします」


すると、先生は大きく目を見開いたあと、安堵したようにホッと胸をなでおろした。

「そうしてくれると助かるわ。ありがとう」
「いえ、り……、城守さんのおかげですっ」

満面の笑みを浮かべる養護教諭の先生に対して私はそう言う。


そして私は、理々乃ちゃんと共に保健室を出た。