ああ、そうか。なるほどね。キラキラしてるのって甘くて美味しいスイーツじゃなかったんだ。光の発生源はモモちゃんだったんだ。


休日に制服姿だなんてアンバランスなはずなのに、モモちゃんはこの周辺にいる男の子のなかでも一番輝いて見える。欲目とかじゃないよ。ほんとに、一人ずば抜けてカッコいい。目立ってる。


火事のなか持ち出せた服は制服と身に付けていたラフな部屋着、それと私が借りてたTシャツとデニム(現在洗濯中)だけで、だから今日の待ち合わせに制服で来ることは想定内だったんだけど。


すごいよ。カラフルでお洒落なショッピング街の風景にしっかりと馴染んでた。ううん、逆に浮いてたのかな。洗練され過ぎてて。一般人にしとくの勿体ないよなあ。てか本当に一般人?


「やばい。モモちゃんがうちのブランド着たら無敵過ぎんか」
「え、あ?マジで行くんですか」
「あったりまえじゃん!ほら行くよー」
「うわっ」


腕を組み直してぐいぐいと引っ張る。モモちゃんはされるがままに見せ掛けて、然り気無く車道側と交代してくれた。王子かよ!!