普通はね、タダで服やらなんやらが貰えるってわかったら欲が滲みでちゃうもんなんだよ。如何に私に媚を売って多くの〝いいもの〟を手に入れてやろうかって。透けて見えちゃうもんなんだよ。


でも、モモちゃんはただただ「なにいってんだコイツ」って顔をしてて新鮮だった。変装した私のことも驚いてはいたけど別人だとは思ってなかった。そんな(ひと)なかなかいないって知ってる?


嬉しい、楽しい、やっぱりキラキラしてる!


「買い物して、ご飯食べて、夜食にはプリン!ちょ~楽しみ!」
「……そんな大袈裟なもんじゃないですよ。普通のプリンだし」
「それがいいの!」
「アンタ本当に変わったひとですね。あんなもんでもよけりゃ、いつでも作りますけど。……色々とお世話になってるし」
「えっ!マジ?!ひゃ~!天国じゃん!ねねっ、フレンチトーストのおかわりもいける?!ふわふわ!とろとろ!きらっきらっ!!」
「ふはっ、語彙力小学生かよ」


口許に手の甲をあて、はにかんだ笑顔。