アイスの一滴も残さず、全部綺麗にペロンッと美味しく頂いたあとは私の仕事の時間まで他愛のない話をして過ごした。時たまモモちゃんから落とされる爆弾の威力が凄すぎて頭を抱えたけど。

兎に角、時間が足りなかった。だからマジで早く帰りたい。


「Amicaちゃん今日イイねえ~!」
「でしょ!表情(かお)もポーズも溢れてくるわ~!わたし天才!!」
「いや、ほんとイイよ!天才!」
「ふっふっ、ありがと♡」


本当はね、今日の撮影は本命だったモデルの子の都合がつかなくて、代役で回ってきた仕事だったの。すごく悔しいし惨めだしで、全盛期の私なら絶対に断ってた。でも、マネージャーが汗水垂らして頑張って取ってきてくれたものだって知ってる。


アラサー落ち目のモデル、しかも昔はカリスマだなんだと必要以上に持て囃されて天狗になっていたモデル。そりゃあ扱い辛いよね。普通は敬遠するよね。それでも昔のツテや繋がりを大切に辿って〝私のため〟に仕事をとってきてくれていること、知ってるから。