今日僕がやってきたのは、僕のいる沼からそんなにたくさん離れていない場所みたいです。

自然もたくさんある、広〜い……

あれ?お魚は川にいる種類と同じみたいだけど、泳いでも泳いでも端っこに来ないみたいだ……僕、海と間違えたのかなぁ?

『こんな真夜中に何をしているんだい?見たことない子だね?』

誰だろう?

『本当だ。お客さんかい?』

『こっちだよこっち。その姿じゃ人間に見つかっちまうじゃないかい。』

あ、水の中かぁ。

ジャブッ……


『のんきな子だね。』

大きな亀さんや長いお魚さんが何匹も集まって水の中にいた。

たくさんいて緊張しちゃうけど、しっかりご挨拶しなきゃ…

《こんばんは、はじめまして、僕はここの少し南の沼から来た、テッシーといいます!》

僕が挨拶すると、みんな嬉しそうに笑ってくれた。

『南から来たのかい?ようこそ、この地域一番の大きな湖へ。』

『ここは日本、という場所で大きさが二番目と言われているんだとさ。』

湖なんだ!
海だと思った…こんなに広いんだもの!

『気をつけないといけないよ?人間が夜に漁に出ることもあるんだ。』

そっか、そうだよね、気をつけなくっちゃ!


『ほらほら、せっかく来たんだ、食べてお行き?この時期はこれがあるよ。』

水の外の隠れたところまで案内してもらうと、その亀さんたちは僕に食べ物を振る舞ってくれた。

まん丸の、ザラザラがついた…ボール??

『半分にしたのがあるはずだよ、それをあげようね。』

半分くらいになったそのボールみたいな物を僕にくれた。

いただきまぁす!
甘い香り…!!美味しそう…!!たくさんある白いのは種かなぁ?

カプッ……

甘ぁい!!
こんな美味しいまん丸、初めてだよ!

『そんなに美味そうに食べてくれるなんてなぁ。』

『あげたかいがあった、ってもんだよ。これも食べてみな!』

なんだろう、これも甘い香りがする…茶色っぽくて、やわらかそう…

わあ、丁度いい甘さだなあ!
くにゅくにゅした感触で少し噛みごたえがあって!

『ある野菜を蒸して干して、甘みを出したものさ。』

野菜!?これ、野菜なの!?
とっても美味しい!!このおやつ、気に入っちゃった!

『口に合ったようで良かったねえ!』

《ありがとうございます〜!ごちそうさまでした!あ、少ないですが僕のおやつを、お礼にどうぞ!》

『落花生かい?ありがとうな!よし、じゃあ朝まで酒盛りだ!坊やもお客さんだ、たくさん食べていきな!ここなら人間たちにも見つからないからな!』

良いのかなあ!嬉しいな!
それじゃあ、おじゃましていきます!


いっぱい食べちゃった、いっぱい寝ちゃったし…

『坊や、大丈夫かい?』

あ、亀さんたちだ…
眠っちゃってごめんなさい…

『いいんだよ。ゆっくり出来たならね!』

はい!ありがとうございます!そろそろ家に帰ります!

『またおいでね!』

『気をつけてな!』

《ありがとうございました、また来ます!さよなら〜!!》


僕のいる沼から少し近くて広い湖、ここも良い出会いと美味しいおやつがありました!