それからここまで来て、月果を見つけたとき、純粋に助けてあげたいって思ったんだ」

そんな言葉を言われた後も、私の心は晴れなかった。

「それって…、私の方が莉音よりましだからいいってこと?」

莉音の目がかすかに見開く。私も、いくら莉音のことが大好きだろうがこれは譲れなかった。

失礼なのは分かってる。私に発破をかけようとしてくれているのも、…分かってる。

「だったら…」

「だったら、このまま会わなくて良いのかよ」

莉音の目つきは厳しかった。

「このまま会わなくて、後悔するのは誰なんだよ。

…それでもしも泣かれても、俺はどうすることだってできない。そうなる前に、言いたいことを伝えるくらいはしないと。

俺だって後悔してもしきれないことが沢山ある。でも月果ならまだやり直せる」

莉音の目は私の心をまっすぐ射抜いていた。

「…」

正直、その言葉は心に響いた。

もしかしたら、会ってまた何か言われるかもしれない。

けれど、それに負けないようにちゃんとこっちだって言ってやる。

前向きに考えてこ。

私はそう覚悟を決めた。