「こ、こんにちは…」

「「「「「こんにちは!!!」」」」」

少し早めに着いたであろう塔雅さんと帆奈が大きな声とともに迎えられている。

「やっぱ塔雅と帆奈ってお似合いだよな。美男美女」

と呟く風磨。彼に“さん”を付けなくなったのは私と同い年だと分かったのと、彼にはどうも“さん”が似合わないと思ったからだ。

「うん、そうだ———」

と私が言いかけると、塔雅さんが風磨の肩をばしんと叩く。

「風磨、なんか言ったか?」

笑みが黒い…。

「ん?なんとも?」

ま、まさか塔雅さん、帆奈のことを美女って言っただけで嫉妬してる…?帆奈もそこそこ面倒な彼氏を持ったもんだなと上から目線ながらに思う。

「な、分かっただろ?塔雅はそういうやつなんだ、逆に面倒だけどな。

でも塔雅と帆奈がいつまでも一緒にいられたらな、とは思ってる」

「…」

風磨なかなかいいこと言うじゃんと感心していると、その本人に腕を掴まれた。

「月果、入るぞ」

「あ…うん」

私はおずおずと頷き、倉庫の中に入らせてもらった。

倉庫はものすごく広いというわけでもなかったが、過ごしやすそうな場所だった。今日は真夏日だっていうのに、そこまで暑くはない。きっと気を利かせて冷房をつけてくれたのだろう。