「…そう、だよね」

私は外見も内面も大して誇れるところがない。可愛いわけでもないし、かと言って勉強ができるわけでもない。

「…別に俺ならいいけど」

ぼそりと呟いた彼の言葉に、私はびくっと反応してしまう。

「ははっ、ウブだねー」

どうせそんなことだろうと思いました。はい。…やっぱり嘘です。不覚ながらドキッとしてしまいました。

「でも俺は嘘はつかないから。好きじゃない子にこんなこと言ったって面倒なだけだし。とりま俺は席外すから、ちょっとゆっくりしていきな。後で送る」

言いたいことをぺらぺら喋った彼は、そのあと他の席でぐうぐう眠ってしまった。この人はどこでも寝れる体質なのか。

私がまごまごしていると、コーヒーが運ばれてきた。

二人分のはずなのに席には一人しか座っていないので、店員さんは怪訝な表情をしている。彼を起こすのもなので、私はコーヒーに口をつけてみる。

「苦…」

コーヒーって苦いのはエスプレッソだけじゃないの?いやそうでもないか…ブラックだって苦いし。

「どうすればいんだろ…」