高校に入ってまだそこまで来ているわけでもないのでコンプリートはできてないが、あんバタードーナツが美味しいことに気づいてしまってからする気が失せてしまっていた。



けど今日は別のものを頼んでみようかな。

「いらっしゃいませー、二名様ですねー」

店員さんが案内してくれた窓側の席に、私たちは腰を下ろした。

店内は満席ではないものの、そこそこ混んではいる。

「月果どれにする?またあんバター?」

「今日は黒蜜きなこにする」

「え、まじか」

じゃあ私も違うのにしようかな、と彼女はぱらぱらとメニューをめくる。

「すいませーん」

「はーい」

「ドーナツの黒蜜きなことメープルバターを」