学校に着いて、帆奈にもすぐにバレた。
「なんかいい事あったの?」
そう聞かれるのも今では嬉しい。
「実は…、莉音と付き合うことになった」
「は?」
帆奈の口がぱっくりと開く。
「それ、おかしくない?」
「なんで?」
それを聞いた第一声が『は?』もどうかと思うけど、『それ、おかしくない?』もそこそこ傷つく。
「だってさ…私が坂口莉音のことについて教えたその夜に告白って、どう考えてもおかしいもん。それにそのキスマ。やることはやったみたいだね」
帆奈がびしりと私の首元を指す。
私は慌てて右手を首に当てる。自分の顔が火が吹き出そうなほど熱くなっていくのがわかった。
「いくらなんでも、タイミングが良すぎない?もしかしたら白虎の仲間がここにいて、私たちの会話を今も盗み聞きしているとか…」
「そんなことあるわけないじゃん」
私は彼女の言葉を遮った。