———坂口莉音から離れたほうがいい。
今までみんながあれだけ口を酸っぱくして言ってくれたのは、私がみんなに囲まれていたからなんだ。
…あんなに優しい仲間に。
純粋に、今更遅いけど、分かってしまった。
ようやく、みんなの言っていることが理解できた。
まるで夢から醒めたような気分だった。
信じなくてごめん。
嘘つき、とか考えたりしてごめん。
自分のためだけにしてるんでしょ、とか思ったりして、本当にごめん。
本当は、みんな私のことを想って言ってくれたこと。
ようやく、私がどれだけ温和な仲間と一緒にいたか気づかされた。
もしかしたら、私がいなくなって悲しく思う人だっているかもしれないのに。
そう思っちゃうのは私が前よりずっと幸せな環境にいたからこそなんだろうね。
楽観的主義、って思われちゃうかもしれない。
けど、もしそういう人がいても、
ごめん。
としか言えないと思う。
言葉にして伝えたいことはたくさんある。
でも、きっと言えないんじゃないかな。
しばらく考えてから、私は覚悟を決めた。