殺意が湧いたよ。そんなやつを、俺の手で、そしてかつ一番辛い方法で苦しめてやるって。そう決めた」

息をする間もなく、彼はまた話し始める。

「どうやったら人は苦しみ悶えながら死ぬか知ってる?…まあ分からないだろうけど。

正解は色々あるだろうけど、まあ伏せとくか。だって気持ち悪いし」

「…」

どういう殺され方があるか、だなんて私は知らない。

裏の世界なんて見ないで育ってきたから。

唯一知っているとしても、磔くらいしか思いつかない。

でも日本ではそんなことはやれなそうだし…。

というよりは、イエス・キリストと同じ目に遭うのは惨すぎる。

「あーまあ磔くらいは知ってるか」

莉音の言葉に、私は目を見開く。待って…それだけは…

「ま、冗談だよ。別にそれで殺したりはしない」

莉音にも良心のかけらはあったらしく、私はほっとする。身体の力が一気に抜けて思わず倒れ込む。今度は、莉音も触れては来なかった。

「あれ、安心しちゃった?さっきの言葉を思い出しなよ。

『そんなやつを、俺の手で、そしてかつ一番辛い方法で苦しめてやるって。そう決めた』って言ってたじゃん」

このままじゃダメだ。本能的にそう思って立ちあがろうとはするけど、先程倒れ込んでしまったため身体に力が入らない。

「あ、あと飲み物にちょっと薬混ぜさせてもらったから。じきに動けなくなるよ」

「そんなっ…」