あれから数日が経った。莉音は私の身体を求めることはまだなく、逆に私も彼の身体を求めてはいなかった。
だから自然とエロ下着をつける機会もなく。
それは多分気持ち的に満たされているってのもあると思うけど、何より彼が忙しいから。
昨日のことを冷静に思い出してみたけれど、私は莉音に嘘をつかれていたことを知った。
そしてその夜はたっぷり甘やかしてもらった。
どう考えても…、都合が良すぎるのではないか。
そういえば前もそうだったな、とか思い出す。
「まさか…」
莉音に別の恋人がいる、とかじゃないよね?
いや。私は思い直した。
彼はあれだけの気持ちを私に伝えてくれた。そんな彼を疑っちゃいけない。
私には莉音しかいない。莉音には私しかいないわけじゃないかもしれないけど、私が彼にとって何かしらの糧になっているといいなという願いを込めて。
「「あ」」
ここ最近電車での鈴城くんとの遭遇率が高い。
「ねえ、月果、昨日聞いたんだけど」
「…?」
「莉音が嘘をついてんの分かっただろ」
なんで知っているのかと思うと、そういえば鈴城くんも暴走族なんだっけ。
「なんであいつが嘘ついたと思う?」
「…」
またもや何も言い返せなかった。だって、嘘をつかれたことはただ単に『ショック』だと思ったから。
嘘をつかれて傷ついたから。