「わかったよ、チキンな月果ちゃんにはこれで十分だ!」
「チキンとか言うな!」
とは言いつつ、私はその下着上下セットをまじまじと眺めてみる。
…かわいい。やりすぎとかそういうのは一切なくて、でもどこか可愛いよりのエロさも感じる。これくらいのなら多分つけられるだろう。
「じゃ!」
帆奈は私の手からそれを奪い取った。
「サイズ合ってた?」
「あー…うん」
たまたまなのかそれとも知っているのかは分からないが、奇跡的にサイズはぴったりだった。できればたまたまであってほしいけれど。
「はい!買ってきた」
「え⁉︎」
確かに帆奈の手の上には紙袋がある。
「お金…」
「いーのいーの!これは月果をチキンじゃなくするためのものなんだから!」
ま、ちょっと高かったけどね、と帆奈。でもこれ以上頼んでも帆奈は絶対にお金を受け取ってくれないだろうということは大体分かっていた。帆奈の家がお金持ちだからってのもあるけど、でもそれにしても金遣いが若干荒い。
「…ありがとう」
「そうこなくっちゃ」
帆奈がにやっと笑みを浮かべた。