これは頑張って痩せすぎだ。生きている気がしない。
「肉だよー、可愛い服とか着ると足とかすごい目立つもん」
と言うので、私は凛咲ちゃんの足を見下ろしてみる。
一言で言えば、棒のように細い足だった。これまで見た誰の足より細く、そして折れそうだった。
「…細すぎる」
ぽつりと呟いたのが聞こえたのか、凛咲ちゃんはぶんぶんと首を振る。
「そんなことないってば、私はもっと細くなりたいの!」
「凛咲ちゃん…」
私はそんな彼女を見て、なんだか悲しくなってきた。
絶対この子、何も食べてない。強いて言えばサラダしか食べてないとかだと思う。前は食べることが大好きで、そのときに見せる笑みがすごく可愛くて好きだったのに…なんだか、私の知っている凛咲ちゃんが何かに飲み込まれてしまったみたいだった。
「あ、あとね、好きな人に振り向いて貰えたの」
凛咲ちゃんの顔が一瞬で赤くなる。
「えっ…ってまさか鈴城くんと付き合うとか…?」
「ううん、それは違くて…でも、この前抱いてもらえたの」
抱いてもらえた…ってことはセックスはした、ってこと…?やるじゃん鈴城くん、やることはやるらしい。
「じゃあ、全然脈アリじゃん」
シてから付き合う…って考えるとちょっとハードル高そうだなって私は思うけど。
「違うの。実は、好きな人変わって」
「え⁉︎」
まずそこ!?
「だって鈴城くんは月果ちゃんのことしか見てないじゃん。そんな人はお断り」
「え…ごめん」
私がいるから、凛咲ちゃんはずっと辛い思いをしてたんだよね。