「変わりたい?」
この日初めて、莉音は笑みを見せた。
「変わりたいなら、俺も手助けするよ」
「…ありがとう」
と言うと、莉音から顔を近づけてくる。
私達は軽く口づけを交わした。
もう何回めかは忘れたけれど、どの時もしあわせだったことは変わらない。
「あーあ、ここが家だったらなー」
と莉音が大きな声で言う。
「…っ」
ちょ、そんな恥ずかしいこと言わないでってば!
私はこのとき、顔を真っ赤にさせてたんだと思う。
「家だったら月果と一緒にテレビ見れるんだけどなー」
そ、それだけ!?
驚いていると、莉音がにやりと笑う。
「別にシたいとは一言も言ってないけど?」
「なかなか無理があると思うよ!?」
と私が言うと、莉音の整った顔がまた近づいてくる。
キス?と思って目を瞑ると…しばらく経ってから。
ペロッ。
「ひぇっ⁉︎」
み、耳舐められた?
「キスじゃなくて悪かったな」