「騒がしい……何をしているのよ」


声の主を探そうとするけれど、門番が素早く掴んでいた腕を背中に回され、今度こそ身動きが取れなくなる。


完全に捕まった、この状況で魔法を発動させたらとんでもない事故になりそうな予感しかない。


ゆっくりと近づいてくる声の主の足音に、身構えながらいると駆け寄ってきた声の主が私の顔を覗き込んできた。


「誰かと思えば……貴方、ジルゲイル様といた平民じゃない」


「ルリナ……さん?」


ルリナさんはキョトンとした顔でいる私に嘲笑うような笑みを浮かべると、門番に拘束を解くようにと指示を出してくれた。


乱暴に拘束を解かれたお陰で、逃げようとしていた勢いが余って足がもつれ地面に座り込んでしまった。