「リゼ!邪魔だ!引っ込んでろ!!」



雷が落ちるが如くジルが物凄く怖い顔で私を叱りつけ、抜いた剣で乱雑に魔物を切り捨てていく。


ジルのその顔に魔物達までも怯えて踵を返すが、逃がすものかと感情をむき出しにしながら剣を振るった。


村長の依頼であった山道に出現するという魔物に遭遇し、退治へと動き出したジル達に、遅れを取るものかと光魔法で防御を特化させようと魔法を掛けたつもりだったのに。



「全く!!魔法を失敗して魔物を強化するとは、よっぽど俺達との旅が嫌らしいな?!いいんだぞ?ここで俺たちはおさらばしても!!」


「ち、違うの!!」



どうにかこうにかして誤解を解かないと、今後の旅に響くと必死に説明するけれど、ジルのお怒りは収まらなかった。


足でまといにならないって決めたのに、こうも空振りするとは私だって予測不可能だ。