第一、力が弱いからじゃなくて、迷宮周辺に結界を張ろうと決断されたのは、貴方の御先祖の意思よ?
せいぜいおじいさんが言うようにならない為に色々と施してはあるから、アンゼリオが壊滅するってことはないんだけど。
まあそう思われてもおかしくないことをベラベラと話しているんでしょうね、本当に困った次期国王陛下だわ。
今に始まったことではないと自分に言い聞かせて、ジル達に置いていかれないようにおじいさんに別れの挨拶をして、私は再び宿屋へと戻る。
腹ごしらえを済ませ、出発の準備を整えた私は荷物を背負い、村長の見送りを受けた私達は朝の澄んだ空気をたくさん吸いながら再び歩き出した。
おじいさんに言われた私の聖女としての噂が何処まで広がっているかは分からないけれど、それを少しでも挽回するかのように、この旅では何やかんやで役にたってみせよう。
聖女の力を使わずとも得意とする光魔法で、サポート役に回って、足でまといにならないように旅をすればきっとジルが国王にも私の活躍を報告してくれるはず。
だから、私は旅ではお荷物なんかにならない。
……はずだったのに。