魔力が弱いせいで弾かれた……か、ますますへこむじゃない。
「おや?昨日この村に来た旅人さんかい?」
畑仕事へと向かう桑を担いだ村のおじいさんが、祠に釘付けになっていた私に話しかけてきた。
おはようございますと挨拶を交わし、珍しい旅人の私に声を掛けてきたようだ。
ゆっくりと私に近づいてくると、隣に立って我が物顔で祠を見上げた。
「立派な祠だろう?」
「はい。とても」
私には真似出来ない聖女の力と光魔法を掛け合わせた魔法は、そう簡単に生み出せるものではない。
見習わなきゃなあ……と、まじまじと見つめているとおじいさんも関心したかのように、首を縦に何度か振った。