考えていても仕方ないけれど、もう少しギルドでお金を貯めておけば良かったと少し後悔が滲む。
あんな意地悪な男でも騎士団の団長で、かなりの腕だってあるからこの旅の道中は安心感に包まれている。
それに本来だったら護衛をする相手は忠誠を誓った王族相手だというのに、こんな落ちこぼれの護衛なんて誰が想像つくかな。
行きだけでも護衛して貰えるだけ感謝しなきゃとは思いつつも、でもやっぱり最後まで旅に付き合って欲しかったなあ。
……私が落ちこぼれじゃなきゃ、簡単に全てが解決するのに。
なんだか段々自分が惨めに思えてきて、この感情を振り払うようにベッドの中へと潜り込んだ。